アフラトキシン (AF) 通知分析法においても, 健康危害及び環境汚染防止の目的で, 使用溶媒の見直しが要求されている. 著者らは既に報告した毒性の高い溶媒を用いない多機能カラムにHPLCを組合せたAF分析法の応用範囲を拡大する目的で, 通知で分析が義務付けられたナッツ類及びジャイアントコーンを含め, より多種の試料の添加回収実験を行った. その結果マカデミアナッツ, クルミ, ヘーゼルナッツ, ブラジルナッツ, ジャイアントコーン, コメ, コムギ, ソバでB1, B2, G1, G2ともに良好な回収率 (85~106%) を得た. また, 妨害ピークが検出された香辛料6種及び紅茶について, 市販のアフィニティーカラムを組合せた分析法を検討した. その結果, G2, B2で一部回収率が低いものの, B1, G1の回収率は良好 (71~112%) でこれらの試料でも分析可能であることが示された.