調理用PVC製手袋の使用が規制されて2か月経過した2000年8月に,市販弁当(いわゆるコンビニ弁当)10検体中のフタル酸エステル類 (PhE) 11種及びアジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHA)を測定し,規制前と比較した.試験期間中の検出下限値は,フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)が 14.9 ng/g,フタル酸ジ n -ブチル(DBP)が 18.6 ng/g であった.市販弁当中の各PhEの濃度は,DEHPが 45~517 ng/g(平均 198 ng/g),DEHAが不検出~90 ng/g,BBP が不検出~10.0 ng/g,フタル酸ジイソノニル(DINP)は1検体のみで検出され,その濃度は 76 ng/g であった.DEHP濃度は平均で前年調査時の22分の1に減少し,その他の化合物も減少した.DBPはすべての試料で不検出であった.