有機リン系農薬のフェントエート(PAP)が,高濃度に検出されたこまつなのマスクロマトグラム上に, O,O,S -トリメチルホスホロジチオエート(OOS)と推定されるピーク(ピークA)が検出された.OOSはマラチオンやPAPなどの原体中に不純物として存在するが,食品から検出された例はなく,OOS標準品は市販されていなかった.そこで,ピークAの確認を行うためにマラチオン乳剤からOOSを分離精製した.このOOSを標準品として,GC/MSでピークAの確認を行った結果,OOSであると確認された.検出値は0.02μg/g(概算値)であった.今回,PAPが高濃度残留していたため,OOSが農作物から検出されたと考えられた.