小松菜中のダイオキシン類濃度における日常の調理の効果を調べた.生産者より直接購入した小松菜を用いて水洗いと煮沸操作を行い,調理前後のダイオキシン類29異性体の濃度を比較した.小松菜に含まれるダイオキシン類の 2,3,7,8-tetraCDD 毒性当量(TEQ)は,水洗いにより平均 0.058 pgTEQ/g から平均 0.026 pgTEQ/g へ,引き続く煮沸操作により平均 0.019 pgTEQ/g へ減少した.調理によりPCDDs及びPCDFs濃度は顕著に減少したが,コプラナーPCBsでは顕著な濃度減少は認められなかった.日常の調理操作は緑色野菜中のダイオキシン含有量の低減に有効と考えられた.