ウイルス抵抗性遺伝子組換えパパイヤ及び非組換えパパイヤ中のカロテノイド成分について比較を行った.まず,フォトダイオードアレイ検出HPLC並びにLC/MSを用い,構造解析を行った結果,両パパイヤとも主カロテノイドはβ-カロテン,リコペン,β-クリプトキサンチン及びβ-クリプトキサンチンのカプロイル(C10), ラウロイル(C12)エステル体であることが明らかとなった.次に,これら5種の化合物の含有量を,両パパイヤについて比較検討した.果実の中央より可食部を取り出し,凍結乾燥後,メタノールで抽出,その後,ヘキサンとメタノールで分配抽出し,ヘキサン抽出物をHPLCで分析した.その結果,抽出物含量,総カロテノイド量,総β-クリプトキサンチン量ともに両者に有意な差は観察されなかった.