果実中のエチクロゼート(CIE)及び分解物の5-chloro-3(1 H )-indazolylacetic acid (CIA)のHPLC及びLC/MSによる分析法を確立した.試料から塩酸酸性下,CIE及びCIAをアセトンで抽出後,エーテル-ヘキサン(2 : 1)で再抽出し,メタノール-4 mol/L水酸化カリウム溶液(1 : 1)でCIEをCIAに加水分解した後,塩酸酸性としてCIAをエーテル-ヘキサン(2 : 1)で抽出した.これをシリカゲルカラムで精製し,HPLC-UV及びLC/MSで測定した.4種の果実にCIE又はCIAを0.5 μg/g添加しHPLCで測定したときの平均回収率は,それぞれ 77.2~83.2%, 71.2~89.2% であった.LC/MSで定量したときの値は,これらより 10~25% 高かった.CIA標準液の検出限界は,試料中のCIEに換算して0.015 μg/g (HPLC), 0.009 μg/g (LC/MS : SIR)であった.