アレルゲン性試験の一環として,遺伝子組換え食品導入蛋白質として,大豆に組み込まれているCP4-EPSPS,並びにとうもろこしに組み込まれているCry1Abを対象に,それら蛋白質の調製を行い,人工胃腸液(SGF, SIF)による in vitro での分解性を調べた.更に,通常の食物摂取時を想定して,新規産生蛋白質の加熱処理後の人工胃腸液による分解性の変化について検討した.両蛋白質は,いずれもSGFによる分解が非常に速かった.SIFによる分解は,比較的長時間を要したが,100℃,5分の加熱前処理で,分解時間が極端に短くなった.SGFによる易分解性並びに加熱処理後のSIFによる易分解性から両蛋白質の消化管中で抗原性を示す可能性はほとんどないものと思われる.