87種の含窒素及び含硫黄農薬を対象として,農作物からアセトニトリル抽出,メスシリンダーを用いたろ過・塩析及びアセトニトリル層の分取操作,GPCの農薬画分を2画分とし,シリカゲル及びフロリジルミニカラムを組み合わせた精製操作を行い,デュアルカラムGCで測定する多成分残留農薬分析法を検討した.GCのカラム,検出器にDB-5ms,NPDとDB-1701P,FPD(S)を用い,注入口インサート等にSiltekTM及びSilcosteel®を用いたGC条件を確立し,すべての農薬を一斉に感度良くGCで測定することが可能となった.添加回収率は81種の農薬で 70% 以上,相対標準偏差は85種の農薬で 20% 未満,検出限界はNPDで0.3~5 ppb,FPDで2~20 ppbであった.本法を用いて農作物中の農薬残留実態調査を行ったところ33検体中22検体から21種の農薬(延べ43農薬)が検出された.