農産物中の N -メチルカルバメート系農薬及びその代謝物を含む38種類について精製及び一斉分析法について検討した.農産物中の N -メチルカルバメート系農薬はアセトンで抽出した後,ジクロロメタンに転溶した.次いで,SupelcleanTM ENVITM-Carb SPE,Bond Elut® PSA及びSAXの順に直列に接続したカートリッジに負荷し,アセトン- n -ヘキサン混液で溶出して精製した.この精製処理により既存法では問題となる妨害成分の多いかんきつ類をはじめ種々の農産物中の N -メチルカルバメート系農薬が,ポストカラム反応蛍光検出器付きHPLCにより精度良く一斉分析できた.種々の農産物に N -メチルカルバメート系農薬を 0.10 ppm 添加したときの回収率はおおむね60~110% であり,検出限界は 0.005 ppm であった.