食品中の異常プリオンタンパク質検出法の確立を目的とし,競合的ELISAによるウシ由来試料の測定を検討した.ウシ・プリオンペプチドに対するウサギ・ポリクローナル抗体を調製して 12~1,200 ng の組換えウシ・プリオンタンパク質(rBoPrP)が測定可能な競合的ELISAを構築し,ウシ大脳皮質中のプリオンタンパク質を定量した.測定系を食品試料に対するrBoPrPの添加実験で評価したところ,挽肉粗抽出物では添加量の約2倍の値を,大腸粗抽出物では添加量より低い値を示した.本法は添加したrBoPrPを簡便に測定でき,試料の前処理法を検討する方法としての利用が期待できる.