HPLCを用いて,乳及び乳製品中の遊離脂肪酸混合物を個別に定量する高感度分析法を確立した.牛乳(1 mL),チーズ(0.5 g)及びバター(0.5 g)からSep-Pakカートリッジを用いて遊離脂肪酸(FFA)を抽出し,これを9-アンスリルジアゾメタン(ADAM)と反応させた.この蛍光体をCadenza CD-18カラム(150×3 mm i.d.)を用いて,メタノール/水のグラジエント溶離法で分析した結果,乳及び乳製品に含まれる16種の主要FFAが互いに明瞭に分離され,FFA含量を脂肪酸別に求めることが可能であった.得られたFFA含量から算出した酸価は従来の滴定法で求めた値と良く一致した.これらの結果から,本HPLCは乳及び乳製品中のFFA含量の測定法として十分な正確さを有すると考えられた.