100 mmol/Lのリン酸緩衝液中で52℃,20分間の加熱損傷処理を施した S. aureus FRI-100を用いて,Baird-Parker寒天培地(BP),卵黄加マンニット食塩寒天培地(MSEY)及びマンニット食塩寒天培地(MS)の各選択分離培地の発育支持能について比較検討を行った.対照培地として1% ピルビン酸塩加ブレインハートインフュージョン寒天(BHIP)を使用した.これら3種の選択培地中では,加熱損傷菌の発育菌数はBPが最も高く,次いでMSEY,MS培地の順であり,5% の危険率で各培地間に有意な差が認められた.-20℃,14日間の凍結処理を施した損傷菌のMS培地とBHIP培地の発育支持能を比較した.この保存期間中ではMS培地とBHIP培地の両培地間に有意な差は認められなかった.