2001年に購入したベビーフードの容器16試料を対象とし,ビスフェノールAなど内分泌かく乱作用が疑われている化合物を含む16物質の材質中含有量とその溶出実態を調査した.フタル酸ジ- n -ブチル (DBP) が 7 試料(1.2~9.1 μg/試料),フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)が15試料(1.3~18 μg/試料)から検出された.これらのうち5試料について水,4% 酢酸及び n -ヘプタンの3種の食品擬似溶媒を用いて溶出試験を行った結果, n -ヘプタンで最も多く溶出され,DBPが3試料から0.68~1.7 μg/試料,DEHPは全試料から0.33~3.5 μg/試料検出された.乳幼児のこれら容器に由来するDBP及びDEHPの摂取量は,それぞれ一日耐容摂取量(TDI)の約1/2,500,1/90~300と見積もられた.