各種食品中のダイオキシン類分析における前処理法の検討として,硫酸処理法と多層シリカゲルカラムクロマトグラフ法の比較を行った.17種の食品について,常法(アセトン/ヘキサン抽出又はアルカリ分解・ヘキサン抽出)により抽出後,抽出溶液を硫酸処理又は多層シリカゲルカラム処理し,以下ガイドラインに従順した.高分解能GC/MSによりダイオキシン類濃度を測定した結果,両処理間で同様のGC/MS (SIM)クロマトパターンを示し,クリーンアップスパイクの添加回収率はガイドライン規定範囲内(40~120%)であった.また,得られた分析値は両処理間で有意な差はなく,両者の処理効率は同等であることが確認された.