冷凍して流通・販売され解凍後に冷蔵保存して喫食されるケーキの衛生管理を目的とし,ケーキ中の細菌増殖抑制と迅速品質評価法を検討した.モデル食品を冷凍保存した後に 10℃,72時間冷蔵保存した際の細菌数の変化について,冷凍温度及びエタノール又は乳化剤の有無の影響を検証した.その結果,一部の冷凍温度において添加物使用による細菌増殖抑制が認められた.また,10℃,72時間後の一般生菌数を予測する迅速測定法を検討した.その結果,20℃,24時間又は Trypticase soy broth 中 35℃,6時間培養の2方法いずれとも 10℃,72時間後の一般生菌数と高い相関があり(相関係数 0.87,0.83),この方法により冷蔵保存後の微生物学的品質の迅速推定が可能であった.更に,ATP-バイオルミネッセンス法を利用した一層の検査時間の短縮が可能であった.