パン中に残存する臭素酸カリウムを,IC/ICP-MSを用いて高感度かつ特異的に分析する方法を検討した.臭素酸イオンを水で抽出し,ろ過,C18カラムによる脱脂,銀カラムによる陰イオン除去,限外ろ過によるタンパク質除去及び陽イオン交換カラムによる銀イオン除去を行った後,検液 500 μL を分析した.本法の検出限界は臭素酸として検液中 0.3 ng/mL,パン試料中 2 ng/g であり,定量限界は検液中 1.0 ng/mL,パン試料中 5 ng/g であった.5 ng/g における添加回収率は約 90%,変動係数は約 2% であった.検液中の検出限界とパンからの回収率より,本法の検出限界を 2 ng/g とした.