日焼け防止剤エトキシキン(ET)の食品衛生法告示試験法を改良した分析法について共同実験を行って評価した.この分析法ではETの分解を抑制するために,ホモジナイズ時にチオ尿素を添加し,試験溶液に酸化防止剤BHTを添加した.また,抽出効率を上げるためにヘキサンに代えてアセトンを抽出溶媒とした.6分析機関で 0.2 μg/g のETを添加したりんご,洋なし,日本なしを分析したときの平均回収率は 83.0~85.3%,併行再現性及び室間再現性の相対標準偏差はそれぞれ 3.8~4.7%,7.8~11.3% と良好な結果が得られた.各機関での検出限界は 0.001~0.025 μg/g であった.ETを添加したりんご及びなしの試験溶液ではLC/MS及びGC/MSによるマススペクトルの確認が可能であった.