肉食性巻貝9科29種の唾液腺について,マウス致死活性及びテトラミン含量を調べた.マウス致死活性は14種に検出され,そのうち4種(カブトアヤボラ,カコボラ,イソニナ,エゾバイ)の毒成分は易熱性,8種(クリイロエゾボラ,フジイロエゾボラ,ヒメエゾボラ,アツエゾボラ,マルエゾボラモドキ,コエゾボラモドキ,クビレバイ,テングニシ)の毒成分は耐熱性であることを確認した.テトラミンの定量結果からクビレバイの耐熱性毒はテトラミンとは異なる未知の成分であったが,その他7種の耐熱性毒は高濃度に含まれるテトラミンであることが判明した.なお,テトラミンが高濃度に検出された7種のうち6種はエゾバイ科であるが,テングニシのみはカンムリボラ科に属することが注目された.