近年残留基準の定められたベンゾイルフェニル尿素系殺虫剤や,米のみに基準が定められた除草剤などで,公定試験法がHPLC-UV測定である農薬17種を,LC/MSを用いて測定する方法を検討した.特に分析時間の短縮や溶媒使用量の削減に重点を置き,アセトニトリル抽出と固相による精製の組み合わせを用いた.玄米,オレンジ,ばれいしょを対象とした 0.1 μg/g の添加回収実験では,作物と農薬の組み合わせで一部低い回収率となったが,残留基準が定められている組み合わせでは,回収率72~93%,相対標準偏差 10% 付近という結果が得られた.