栽培中にフルトラニル,フェノブカルブ,シラフルオフェンおよびブプロフェジンの4農薬を撒布した後に収穫した米,もみ中の残留農薬を分析したところ,残留濃度は表層で高く米の内部にいくに従って減少し,精米工程により,1/3~1/5に減少した.減少率はオクタノール/水分配係数(log P ow)の大きいシラフルオフェン,ブプロフェジンで高く,log P ow値の小さいフェノブカルブやフルトラニルでは米の内部に浸透する傾向が認められた.農薬がぬかに多く分布することから,白米と表面の微細ぬかを除去した無洗米とでは,無洗米の方が低い残留濃度を示し,炊飯による濃度の減衰は,玄米飯に比べて白米飯の方が同等もしくは大きい傾向を示した.