労働安全衛生法などで規制のあるジクロロメタンを使用せずに,ポリカーボネート製品中に残存するビスフェノールA (BPA) などを分析する方法を検討した.その結果,試料を粉砕もしくは細切し,アセトニトリルで40℃, 24時間抽出した後HPLCで定量することにより,規格試験法と同等の分析が可能であった.ポリカーボネート14試料を本法で分析したところ,規格試験法と比べたときの BPA, PH, PTBP およびDPCの抽出比はそれぞれ 0.89~1.19, 0.89~1.14, 0.94~1.30, 1.08~1.11 であった.従来の方法は,1試料につき約 120 mL の有機溶媒を使用するのに対して,本法はアセトニトリル 5 mL だけでよく,使用する有機溶媒の量を大きく減らすことができた.