クチナシ赤色素(GR)およびクチナシ青色素(GB)は,製造工程中のメタノールの生成が懸念される.規格設定の際にメタノールについての検討が必要になるため,標準添加法を用いたヘッドスペース-GC (HS-GC) による定量法を検討した.HS-GCのためには粉末試料を水に溶解するが,水溶液ではGBからメタノールが生成することが知られているため,HS-GCにおけるバイアル加熱条件の違いによるメタノール定量値の比較を行った.バイアルを加熱しない (A), 50℃で20分間保持(B)あるいは 80℃で20分間保持(C)の3条件のうち,条件AとBではメタノール含量は変わらなかったが,条件Cで1.2倍となった.条件Bで GR2検体およびGB3検体について分析を行ったところ,メタノール含量は,GRで8および9μg/g, GBで25~34μg/g であった.