流通している精白米の搗精工程におけるカドミウム(Cd)の動態を解明するため,小売店レベルの中規模精米機を使用して,原料玄米から精白米および糠を調製し,Cd濃度の変化を調べた.試料溶液は,硝酸-フッ化水素酸によりマイクロ波分解して調製し,ICP-MSにより測定した.Cd濃度は相対濃度で,原料玄米100に対し,精白米は97を示し,搗精工程による濃度の減少はわずかであった.また,その減少の程度は,従来の報告よりも小さかった.さらに,精白米を無洗米処理した試料についても調べたが,相対濃度で,精白米100に対し,無洗米は98を示し,無洗米工程においても濃度の減少はわずかであった.