LC/MSを用いた畜水産食品中のスピラマイシン(SPM)およびチルミコシン(TLM)の定量法を検討した.試料の前処理には,抽出に 0.2% メタリン酸-メタノール(6 : 4)混液を,クリーンアップにはOasis HLBカートリッジを採用した.SPMの主成分SPM-I, その主代謝物NSPM-IおよびTLMは,エレクトロスプレーイオン化ポジティブモードによりそれぞれ2価イオン[M+2H]2+が感度良く観測された.LC条件は,カラムにCapcell Pak MG-C18 (150×2 mm i.d.), 移動相には 0.02% ギ酸–アセトニトリル系を用い,グラジエント溶出法を用いた.本法における添加回収率は0.2 μg/gの添加で 73.2~89.2%, 検出限界は0.01 μg/gであった.