国内の8機関の参加を得て,農作物中の104種農薬の残留スクリーニング分析に関わる試験技能評価を試みた.評価項目は,検出下限値・内部精度評価(添加回収試験)・外部精度評価(ブラインドスパイク試験)とした.104項目の農薬に関して,GCの検出下限値および添加回収率から,農作物中における一斉残留スクリーニングが全く不可能であると考えられるものはなかった.ブラインドスパイク試験(添加量は残留基準値程度)の結果,農薬の検出効率の推定値は,機関によって65~100%と開きがあった.また,含有されていない農薬を検出と判定した頻度は,5回の試験で15農薬の誤検出をした機関がある一方で,全く誤検出のない機関もあった.参加各機関の多成分農薬スクリーニング技能水準にはかなり開きがあることがうかがえた.