市販野菜中のダイオキシンレベルを評価するために,穀類,きのこ類を含む60種の各種市販生鮮野菜中のダイオキシン類〔ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs),ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)およびコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCBs)〕分析を行った.その結果,各生鮮野菜試料の毒性等量(TEQ)は湿重量当たり<0.001~0.089 pg-TEQ/gで,モロヘイヤ(0.089 pg-TEQ/g),ほうれんそう(0.077 pg-TEQ/g),こまつな(0.074 pg-TEQ/g)といった緑葉野菜でダイオキシン類を検出する傾向が認められた.さらに市販冷凍野菜17検体についてもダイオキシンレベルを検討した.その結果,TEQ値は<0.001~0.080 pg-TEQ/gであった.また供試した市販野菜の各同族体分析の結果から,これらの総TEQ値におけるPCDD/F群の占有率は75%と大きく,個々の異性体では,1,2,3,7,8-PeCDD, 2,3,4,7,8-PeCDFおよび3,3',4,4',5-PeCB (#126)が全体の63%を占め,これらの影響が大きいことが明らかとなった.