緑葉野菜中のダイオキシン類〔ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs),ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)およびコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCBs)〕分析における前処理法の改良を行い,また食品試料における多層シリカゲルカラムの充てん法の比較を行った.まずほうれんそうについて,アルミナカラムにより得られたモノオルトPCB類画分の精製を行った.本モノオルトPCB類画分は濃縮すると,不純物として少量の結晶様固形分がガラス壁に残った.これはGC/MS分析により,植物リーフワックス由来の長鎖炭化水素類であると同定した.この不純物を取り除くために,活性炭シリカゲルを使って検討したところ,ヘキサンで洗浄することにより効率的に除去できることを確認した.次に多層シリカゲルカラムの充てん法(湿式および乾式充てん)について,こまつな,サケ,バターを試料とし,比較検討を行った.両方法により調製されたカラムは,各試料において異性体レベルでほぼ同様の値および回収率を示した.