RBL-2H3細胞内の顆粒内酵素β-ヘキソサミニダーゼの遊離を指標とする脱顆粒反応を亢進した4食品添加物,7農薬および2動物用医薬品に対して,脱顆粒反応を抑制する物質として見いだした亜鉛を取り上げ,上記合成化学物質によって亢進される脱顆粒反応を抑制する可能性について検討した.その結果,ブチルヒドロキシアニソール,ジブチルヒドロキシトルエン,オルトフェニルフェノール,パラオキシ安息香酸ブチルの4食品添加物,ビテルタノール,EPN, cis -ペルメトリン, trans -ペルメトリン,プロチオホス,ピリダベン,テルブホスの7農薬および動物用医薬品のサリノマイシンは,それぞれ亜鉛と同時に細胞に作用させたところ,亜鉛がこれら化学物質の脱顆粒反応亢進作用を抑制することが認められた.