特定原材料である小麦タンパク質測定のELISA法の確立のために10機関による検証評価試験を行った.グリアジンおよび小麦タンパク質を測定する2種類ELISA法とも同時再現性はおおむねCV値10%以下と良好であった.10機関で小麦標準溶液を添加した5食品の各食品抽出液を分析した際の平均回収率は,2種類ELISA法ともおおむね40%以上であり,併行再現性の相対標準偏差は,それぞれ16~26.9%,3.7~36.2%であり,室間再現性の相対標準偏差はそれぞれ21.6~38.5%,29.7~53.8%であり,ELISA測定としては実用上支障がないと考えられた.小麦エライザキットのプレートに結合した抗体量を増加した結果,回収率が低かったシリアルで添加回収率が改善された.2種類ELISA法の検出限界は,測定溶液の濃度で1 ng/mLであった.