GC/MSを用いてリンゴ果汁中のパツリンを1および5 μg/kg(日本の基準値の1/10)まで正確にそれぞれ測定,確認できる分析法を確立した.試料中のパツリンを酢酸エチルで抽出し,濃縮後の抽出液にヘキサンを加えて混合し,生成した不溶物をろ過で除去後,固相抽出によりさらに精製した.この低極性状態でのろ過は,妨害物質の除去に非常に有効であった.カラムからの溶出液を減圧乾固,BSTFAによりトリメチルシリル化後,GC/MSで測定した.定量はSIMモード( m / z : 226),確認はSCANモードでマススペクトルを比較することにより行った.リンゴ果汁からの回収率は,10~500 μg/kg添加で 93.4~100% であり,検出,定量および確認限界は,それぞれ0.1, 1および5 μg/kgであった.