食品中の有機リン系農薬分析時に GC-FPD, GC-FTD で検出された4種類の未知ピークについて同定を試みた.これらはGC保持時間およびマススペクトルから,triethyl phosphate (TEP), tributyl phosphate (TBP), diphenyl 2-ethylhexyl phosphate (DPEHP), N -ethyltoluenesulfoneamide (NETSA) とそれぞれ同定された.これらは29検体から検出され,その濃度は痕跡(0.01 μg/g未満)~11 μg/gであった.未知ピークが検出された食品の包装容器を分析した結果,当該4種の化学物質がそれぞれ検出され,流通・保存中に包装容器から食品へ移行したことが推測された.4種の化学物質は,油脂成分が多く,長期保存する穀類加工品に移行しやすい傾向が見られた.