ICP-MSによる多元素一斉分析法を玄米および魚介類中の Cd, Pb, Hg, As, Se, Mn, Cu, Zn の8元素の測定に応用した.試料の分解法は,硝酸による湿式分解法(A法)および硝酸-塩酸による迅速分解法(B法)の二法を用いた.標準試料のICP-MS測定における回収率は,A法ではHgを除く7元素が92~110%,B法では 70~100% であった.実試料の玄米および魚介類のICP-MSによる測定値は,原子吸光光度法の測定値とよく一致した.以上の結果から,ICP-MSによる玄米および魚介類中の元素の測定の正確さが確認でき,A法-ICP-MSはHgを除く一斉分析法として,B法-ICP-MSはHgを含めた有害元素のスクリーニング法として応用可能であり,ICP-MSの有用性が認められた.