ポリエチレンテレフタレート(PET)再生材中の残存揮発性物質について,ヘッドスペース-GC/MSにより分析を行った.その結果,物理的再生材ではエタノール,リモネンなどが微量検出されたが,多くは食品由来と考えられた.一方,超洗浄様処理や化学分解処理による再生材ではいずれの揮発性物質も検出されず,新品ペレットとほぼ同等であった.物理的再生材を用いた成形用シートでは揮発性物質は検出されず,新品を用いたものと差は見られなかった.以上のことから,PET再生材を現状の用途で使用するならば,揮発性物質に関しては食品衛生上特に問題はないと結論された.