炭水化物を多く含む食品を高温で調理することによりアスパラギン(Asn)と還元糖からアクリルアミド(AAm)が生成する.本研究では,ガラス繊維ろ紙を用いたモデル系におけるAAmの生成および抑制条件の検討を行った.フライ時のAAm生成率は,オーブンで加熱した場合の約10倍高くなった.加熱により試料水分の残存率が 5% 以下に減少した場合のフライ温度とフライ時間がAAm生成に大きく関与していることが示唆された.AAm生成率はグルコースの添加量がAsnに対して1 : 1程度までは増加したがその後は逆に減少した.しかしフルクトースでは添加量の増加に伴いAAmが増加した.Asnとグルコースにバリンが共存することでAAm生成率は増加し,システイン,リジンなどの共存により抑制されることが分かった.これらの結果よりAAmの生成経路について推測した.