2001年5月9日に台湾において4名が調味のりを食ベ,顏面の発赤,はれ,疼痛などを訴えた.調味のりからのエタノール抽出液を使って5名の志願者の手背に過敏反応を試験したところ,光線に当てると,3名が光過敏症を示した.次に中毒したのりと一般市販ののりをアセトンで抽出後,HPLCによるクロロフィル a およびその関連物質の分析を検討した.中毒したのりには光過敏物質であるピロフェオホルバイド a (5,460~5,624 μg/g) とフェオホルバイド a (851~906 μg/g) が検出されたが,一般市販ののりには検出されかった(<50 μg/g).したがって,この食中毒の原因物質は光過敏物質と結論された.