レトルト食品用包装材からモデルレトルト食品(水,食用油および魚油漬け,いずれも121℃,30分間,レトルト殺菌)中への溶出について,HPLC(蛍光検出)による主要な溶出物の分析,蒸発残留物,過マンガン酸カリウム消費量および全有機炭素測定を行い,食品衛生法に規定された条件およびその他の食品疑似溶媒による溶出と比較した.モデル食品および溶出試験において,フィルムの接着剤成分と考えられるビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)および関連化合物が検出され,レトルト食用油中へのこれらの成分の溶出は食品衛生法規定の溶出条件( n -ヘプタン,25℃,60分間)よりかなり多かった.またレトルト水中への溶出物も食品疑似溶媒として水を用いた溶出(水,95℃,30分間)より多いことが分かった.