マーガリン,ショートニングの原料として用いられている魚油[未精製油( n =5)・精製硬化油( n =2)]および市販魚( n =6)中のPCDDs/DFs およびCoPCBsの測定を行った。未精製魚油,精製硬化油および市販魚のPCDDs/DFs-TEQ値の濃度範囲はそれぞれ0.1~13.5 pg TEQ/g fat,0.5~1.6 pg TEQ/g fatおよび1.4~31.2 pg TEQ/g fatであり,各種試料間で互いに類似した濃度レベルを示す試料が見られた。一方,CoPCBs-TEQ値の濃度範囲はそれぞれ4.9~19.6 pg TEQ/g fat,0.2~1.4 pg TEQ/g fat および2.7~165.8 pg TEQ/g fatであり,精製硬化魚油のCoPCBs-TEQ値が最も低かった。これは精製硬化魚油中の低塩素化同族体濃度が他試料に比べ低いことに由来し,その原因として,精製過程中での低塩素化同族体の除去が推察された。