遺伝子組換えトウモロコシ(Mon810系統)の定量PCR法を対象とした外部精度管理を目的に,共同試験を実施した.回収した分析結果ならびに調査項目を詳細に解析した結果,LightCyclerを使用した2機関ともに異常値が認められた.その原因について追検証した結果,機器あるいはPCR試薬が測定値の繰返し再現性に影響を与え,これが直接の原因となってMon810含量が異常値を示した可能性が示唆された.それ以外に異常値を報告した機関については,抽出DNAの影響が強く示唆された.これらの解析を行うに当たり,内在性遺伝子の測定値を指標とすることが有効であると考えられた.また,共同試験に際し改良したシリカゲル膜タイプキット法により,より簡便に,かつ短時間で安定した量のDNAを抽出することが可能となった.