2003年1月から11月に未殺菌液卵の小規模製造工場において各製造工程での検体を採取し,細菌汚染状況を調査した. Salmonella Enteritidis は10月の調査時に卵黄液および卵白液から分離されたが,他の液卵50検体,容器21検体および関連検体94検体からは分離されなかった.今回の液卵の汚染率(3.8%)はこれまでの報告よりは低い値であった.一般細菌数,グラム陽性菌数およびグラム陰性菌数はそれぞれ2∼5 log CFU/g, 2∼3 log CFU/gおよび2∼5 log CFU/gであった.液卵納品先からの返却容器の細菌数は1容器当たり8 log CFUであったが,洗浄と塩素系消毒剤の使用によって大きく減じた.