35年間(1970∼2004年),大阪府下で採取された食肉中のPCBおよび有機塩素系農薬の残留実態を調べた.各食肉中のHCH各異性体は,70年代前半から後半に急激に減少し,以降はなだらかな減少傾向を示した.各食肉中のDDTおよびその類似体は,70年代後半から80年代前半に急激な減少を示し,各年代で p,p '-DDD, p,p '-DDE, p,p '-DDTの残留割合が高い傾向が観察された.また,各食肉中のPCBやdieldrinも年度経過とともに減少傾向を示した.15年間(1990∼2004年)の食肉加工食品中の有機塩素系農薬の残留調査では,食肉原材料が違っても各農薬の汚染状況にほとんど相違のないことや,食肉に比べて各農薬の残留量が少ない傾向が観察された.