5'ヌクレアーゼリアルタイムPCRを使った新たな Salmonella 生菌数推定方法を開発した.この方法は試料培養中の本菌増殖による標的DNA領域( inv A)の増加挙動に基づいている.すなわち, Salmonella Enteritidis を緩衝ペプトン水で培養すると,増殖に伴って Threshold cycle ( C T)は時間とともにS字状に減少した.ある培養時間における C T値と接種菌数の直線関係から,未知試料の C T値を用いてその初期菌数が推定できた.この方法では標的細菌の死菌と生菌を区別でき,また選択培地を用いることによって混在する他の細菌の影響を抑制することができた.この推定方法は他の培養可能な微生物の生菌数推定にも適用できると考えられる.