1999~2002年にコメ311点,コムギ10点,ダイズ44点およびアズキ4点,計369点の試料を採取し,ダイオキシン類を分析した.採取地点から約1 km以内に稼働中の廃棄物焼却場があった「発生源周辺」とそれ以外の「一般地」に分けてTEQ値を比較した結果,ダイズの「発生源周辺」と「一般地」との間で,また,「一般地」で採取したコメの採取年次間で,それぞれ有意差( p <0.05)が認められた.しかし,各作物中のTEQ値(中央値)は0.00001~0.00016 pg-TEQ/g wet wt. と極めて低濃度だった.調査した作物に由来するダイオキシン類の一日摂取量は0.0056 pg-TEQ/kg B.W./day (ND=0) および 0.18 pg-TEQ/kg B.W./day (ND=1/2 LOD: 検出下限値の1/2)と見積もられ,国産コメ,コムギ,ダイズおよびアズキの汚染は問題とすべきレベルにないものと判断された.