特定原材料(卵,乳)を含む種々の食品について,通知法記載のELISAキットを用いて検査を行った.また,いくつかの試料は通知法記載のウエスタンブロットキットによる確認検査も行った.卵の検査法では交差反応による偽陽性の有無を魚卵類および鶏肉について検討した.その結果,特定原材料検出ELISAキット卵白アルブミンですじこが偽陽性を示す場合があること,非加熱の鶏肉でELISA法,ウエスタンブロット法ともに結果の判定が困難なことが分かった.卵含有表示のある食品では,加熱した食品で検出が難しい事例があった.乳の検査法では,FASTKITTM・ELISA乳で交差反応を示すとされていた増粘多糖類を含む試料について検討したが,改良後のキットではいずれも妨害は認められなかった.また,乳含有表示のある食品について検査を実施したが,判定が困難な事例は見られなかった.