外部イオン化方式イオントラップ型GC/MSを用いたMS/MS法による農作物中の200種農薬のスクリーニング分析を検討した.ジメチピンを除く199農薬は,4グループに分類することによって一斉分析が可能となった.定量下限値は,アリドクロール,ジメトエート,ヘキシチアゾックスおよびトリアジメノールは0.2 μg/mL(試料中0.05 ppm),メタミドホスは0.5 μg/mL(試料中0.125 ppm),その他の194農薬は0.04 μg/mL(試料中0.01 ppm)であった.検量線は,0.04~5.0 μg/mLの範囲内で直線性が認められた( r >0.990).GC/MS (SIM)法で測定が困難なメビンホス,ターバシルおよびチアゾピルの3農薬はMS/MS法を用いることによってマトリックスの影響を受けることなく測定できた.GC/MS/MS条件が設定できた199農薬を7農作物の抽出液に添加し,添加回収試験を行った結果,194農薬がいずれの農作物においても50~150%の回収率が得られ,スクリーニング分析が可能であることが確認された.