ウシおよびブタの筋肉,肝臓,腎臓,脂肪,腸管中の残留メトクロプラミド(MCP)を検出するために,UV検出器を用いたイオンペアHPLC法を検討した.MCPは,アセトニトリルで抽出し,ヘキサンで脂溶性成分を除去した後に Oasis HLB カートリッジに負荷し精製した.MCPの検出限界は0.002 μg/g,定量限界は0.007 μg/gで,0.03 ppm添加時の回収率は,ウシ組織で74.1~93.3%,ブタ組織で 86.1~92.7% であった.この方法を用いて,MCP製剤を用法用量に従って投薬し,1日間休薬したウシおよびブタの組織中のMCP濃度を分析した.この結果,すべての組織のMCP濃度は,暫定残留基準値以下であることが示された.