市販食品由来の酵母20株について,rDNAの2領域を対象にしたユニバーサルプライマーを用いたDNA塩基配列解析による同定を試みるとともに,API 20C AUXを用いた表現性状試験による同定結果と比較した.この結果,26S領域では食品から分離した酵母20株すべてが種レベルまで同定された.ITS1領域では,16株が種レベルまで同定された.また,表現性状試験およびDNA塩基配列解析による同定結果はすべての株が属レベルで一致した.さらに,食品苦情2事例において表現性状試験のみでは同定が困難であった酵母は,DNA塩基配列解析によって同定が可能となった.