食中毒の発生時に,原因物質の摂食時点はSartwell法および最尤推定法などを用いて推定されてきた.これらの従来法は摂食時点との一致性および精度が低いため妥当な方法とは言いがたい.我々は341食中毒事例を集めたデータベースを作成した.このデータベースを用いて摂食時点を重回帰式にあてはめて推定する方法を開発した.Sartwell法および最尤推定法などの従来法を適用できる事例は少数であったが,新しい推定法はすべての事例に適用でき,従来法と比較して,より高い一致性と精度を示した.これらの結果から新しい推定法が従来法に比較してより妥当な推定法と考えられた.