即席麺など油脂を多量に含む食品の品質管理において,油脂酸化の程度を知ることは重要である.特に,油脂酸化に伴うアルデヒドの生成は食品の品質を低下させる最初の要因の1つである.われわれは,食用油脂の加熱条件下での保存試験を実施して油脂の品質にかかわる酸価,過酸化物価(POV),カルボニル価などの指標の経時変化を調べ,油脂酸化に伴って生成する比較的細胞毒性の強い5種類の不飽和アルデヒドの総濃度の推移とPOVの推移とが高い相関を示すことを見いだした.このことから,POVが食品の安全性を確認するために用いるべき指標となることを改めて確認した.