安全性未審査遺伝子組換えコメ(LLRice601系統)の流通を監視するためには,信頼性のある分析法が必要とされる.そこで本研究では,コメを対象としたDNA抽出法および解析方法を含む検知技術を開発し,その妥当性について検証した.その結果,安定した量のDNAを抽出可能な抽出法および測定結果を安定して得ることが可能な real-time PCR 法が開発された.共同試験の結果,LLRice601系統由来のDNAを 0.1% 含有した試料の陽性率は 100% であった.また,全試料を通じて得られた内在性遺伝子の測定値(Ct 値)および,0.1% 試料について得られたLLRiceコンストラクト特異的DNA配列の測定値(Ct 値)を統計的に解析した結果,有意差は認められず,本方法の妥当性が確認された.0.1% 未満の試料については検出率がばらついたため,検出下限は 0.1% 付近であると考えられた.また,測定結果の判定については,一義的には40未満のCt値が得られるか否かをもって行うことが妥当であることが蛍光強度の解析により示唆された.