除草剤耐性遺伝子組換えトウモロコシGA21系統を分析対象とした新規系統特異的定量分析法を開発した.本分析法では,GA21ゲノム1ハプロイド当たり1か所のみ存在する挿入遺伝子配列と隣接するトウモロコシゲノムの境界部位をPCR反応によって増幅する.さらに,このPCR反応の増幅効率は内在性対照となるトウモロコシ SSIIb 遺伝子の増幅効率と極めて近似するため,その内標比は理論値に近い値が得られた.また統計学的な分析値の評価を行った結果,本分析法はわが国の公定法に定められた他のGM定量分析法と同等以上の分析精度を示した.これら特性から,本法は多重リアルタイムPCR法による高効率的GMトウモロコシスクリーニング定量分析法に応用可能であると考えられる.